〜着信アリ Final〜






今回は、 着信アリ Finalです。


あのホラー映画「着信アリ」の3作目であり最終作ですが、1作目からこのFinalがでるまでに、

他にも携帯電話を使ったホラー作品がわんさと作られ、その中にはタイトルにまんま「着信」とかもあったりと、

もはやお腹一杯すぎて、「え?まだ終わってなかったの?」というぐらい埋れていた感が拭えません。

加えて3作目で最終作といえば、

美少年からチンパンジーへと不器用な成長をしたジョン・コナーでおなじみターミネーターを思い出し不吉です。

いやターミネータはその一点以外は、フツーだったんだけどね?



とはいえ、秋元康が原作の作品。

秋元康といえば、

「時代の波を巧み乗りこなせるのは、彼かつんく♂か赤松健くらいだ」 (あかほりさとるは脱落)

と言われるほどの人物です。どこで言われてるかは知らねぇ。

噂のAKB48の生みの親でもある方です。48人のアイドルグループとか素人には考え付きませんよ。

覚えらんねっつの!48の殺人技しか言えねっつの!AKBがBAKIに見えるっつの!

そんな秋元御大原作のホラー映画ですので、期待の斜め上を行くだろうな、やっぱはできると思われましたが・・・・



流行に敏感な秋元先生。現在、社会問題ともなっているいじめに焦点を合わせています。

ある学校での韓国への修学旅行中、一人の女生徒の携帯に死の着信が・・・。

そしてその女生徒は無残に死に、その後も生徒達が一人ずつ死の着信を受け、

勇次郎かオリバの手にかかったかのようにジャガって死んでいきます。

で、その死の着信を実行しているのは、いじめを苦に自殺未遂をした後、

昏睡状態となった女生徒であることが判明するわけです。(まぁ厳密には、他の原因があるんですけど。)

前作までの犠牲者は、単に巻き込まれただけの人や善良な人が比較的多かったわけですが、

今回は基本的にいじめを行ってた生徒・いじめを黙認していた生徒や教師で、

これがまた揃いも揃って嫌な人間ばっかなので、

「ああ、そりゃ死ぬよね。ホラー映画でこのキャラじゃ」って感じで、怖くなかったりします。

むしろ魔太郎よりも容赦無い復讐っぷりが、逆に爽快です。

また殺される教師役も、昨年の大晦日に「ガキの使い」で見事な死にっぷりを見せた板尾創路なせいもあって、

いつ「浜田〜アウト〜」という声が聞こえそうな気がして、怖さどころじゃありません。



まぁぶっちゃけると、この「着信アリ」シリーズ、ギミックや原因など一作目であらかたバレちゃってるんで、

未知の恐怖的なものが、さっぱり無いんですよね。

今回は、死の着信を他の人間に転送すれば助かる(転送された人間は不適用)っていう新しいルールが加わってるんですが、

人間同士の醜い争いを表現って点ではうまく作用してるけども、”ホラー”としては物足りない感じです。

死の着信の本当の原因だって、結局1作目と変わらず子供の悪霊”美々子”ですし。

いっそのこと、康らしくMIMIKO48とかはっちゃけてほしかったね。



なんというか、最終作にしては盛り上がりも新鮮味も欠ける展開で、

やはり康も、最近の時代の波には乗りきれてないな・・・と思ったりしたんですが、

ラスト、スパムメールで悪霊を消滅させる展開は、やっぱり秋元康だと思いました。





戦略的撤退