〜キャシャーン〜






―たったひとつの命を捨てて―
―生まれ変わった不死身の体―
―鉄の悪魔を叩いて砕く―
―キャシャーンがやらねば誰がやる!―




「キャシャーン」観てきました。

かっちょいい予告編を観てからというもの、これは面白そうだとチェックしてましたよ!

ただ、宇多田夫婦というファクターが俺をどうしようもなく不安にさせます。

だいたい別分野で活躍してた人間が映画監督をやるなんて、

ジーコがサッカーゲームを監修するくらい危険です。
(シールを貼るとあら不思議、SM調教ゲームに早変わり!)

わかりにくいですか?

まぁ、わかりやすく言うと、ゲームプロデューサーがフルCGの映画撮るようなもんです。



しかしこの「キャシャーン」、そんな不安要素を差し引いてもに楽しみでした。

ちなみに一人で観にいってきました。

誰か誘おうかとも思ったんですが、今回は見送り。

寂しいといえば寂しいんですが、前述の不安要素もあり、

以前の「王の帰還」や「ハリーポッター」の時のように、

観終った時に笑顔でいられる自信がないんで我慢。

誘った俺が、申し訳ない気分で胸を一杯にするよりマシです。



で、感想。

キャシャーンの戦闘や、唐沢敏明をはじめとした実力派俳優の演技なんか、素晴らしいものがあります。

鳥肌モノでしたよ。映像の美しさも目を見張るものばかり。

まぁ時々ではありますが、ウゴウゴルーガみたいな合成が気にはなりますけど。

さすがミュージックビデオで名を馳せただけのことはあります。

とくに物語中盤のキャシャーンとロボ軍団との戦闘はすごいですよ。

クビを引っこ抜いてチョップ!

蹴りでボディを貫通!

ロボを振り回し、包囲網を蹴散らす!


これぞ、キャシャーン!!燃えるぜ!燃える!

なんでこのテンションを最後まで維持できないんだ。

燃える戦闘はここだけでした。

少なくとも、予告を見てこの映画に期待した人の8割くらいは、これ以降テンションが下り坂を下っていきます。





まぁ、映像に関しては褒めちぎってますが、欠点がないわけではないです・・・・

というか致命的な気がしなくもないんですが。

場面転換がヘタクソにかなり違和感を感じました。

なんというかブツ切りにして繋げているという印象を受けました。

そこがかなり残念です。



まぁ、こんな所でしょうか。

ストーリー?

口の悪い人は、

歌に入るまで2時間かかる宇多田ヒカルのミュージックビデオ

なんて言ってる人もいるようです。

・・・わかってないですねぇ、素人は。 まぁ、俺が言ったんですが。

だいたい「キャシャーン」は考えるんじゃない。感じる映画なんです。

まぁ映画の感想としては、白旗あげてるも同然なんですけど、

要するに難解というか、説明不足というか、自慰くさいです。

いや、俺にコスモが足りないせいで、理解できなかったんでしょうけど。



観終わった時の客席は、なんか無言でした。

面白かったーという感動で沈黙ではなく、「どんな顔をしたらいんだ」という沈黙って感じですか。

この雰囲気どっかで・・・・。 ああ、エヴァの劇場版1作目(シト新生)が終わった時の客席の雰囲気と同じだ。

あー、一緒にするのは紀里谷監督に失礼ですね。てか、エヴァはひどかった気がしますねー。

あれは、テレビ版で決着付かなかったからこその劇場版なのに、その劇場版も2作に分けられたんでしたよね。

思いっきりストーリー途中でエンドロールが流れた時は、「どんな顔したらいいんだ」って思いましたよ。

どんな顔して庵野をボコボコにしてやろうかと。

てか、あれでスタンディングオベーションが出来たら、俺はガンジーになれます。



まぁ、初監督という事で仕方ないといえば仕方ないんでしょうが、

少なくとも一回観てすべてを理解するのは難しいでしょう。

一番も問題は、戦闘シーン以外は繰り返し見る気は起きないって事でしょうか。



いや、俺は大好きなんだけどね。この映画。





戦略的撤退