〜この映画をデビルマンと呼びたかないが、実写版デビルマンレビュー〜




教えてやる、これがクソ映画ってやつさ。


ということで、久々のレビューはデビルマンです。

実際はジャパニーズホラーの『予言』・『感染』をレビューしようかとおもったものの、

デビルマンのインパクトにふっとばされましたので、急遽予定を変更。

まぁ、『予言』は三上博史の絶叫と青筋、

『感染』にいたってはバブルスライムみたいに溶ける高嶋政伸(姉さん!事件です!)

くらしか見所はないんですけど。



さて、デビルマン。公開初日に鑑賞に向かいました。

とりあえず初回の時間であろう10:00くらいに着くように、近場の映画館に向かったんですが、

なんとデビルマンは入れ替え上映らしく、公開開始は15:00。

いきなり5時間の待ちぼうけを喰らうハメに。

世間で期待の新作なのに、なぜこの扱い!?

まぁ、映画館関係者が既に観ていたんなら、後ほどこの配慮は正しかったんだなと納得できるんですが。



いったん家に帰るのも癪だったんで、

とりあえず隣で上映されていたバイオハザード2を見ることにしました。

ちなみに観客は私、カップル一組、明らかに暇つぶしに来た爺さんの4人。

すげぇや、肘掛が両方使える!

大丈夫か、この映画館。



では軽くバイオ2の感想からにしましょうかね。

いきなりデビルマンという劇薬を飲むとおっ死ぬと思うんで、まずはマイルドなヤツを。



まぁおおむね普通の出来だったと思いますが、ツッコミどころはもちろん有り。

特に映画版主人公アリスとゲーム版主人公ジルの2人の無能っぷり。


ゾンビ映画でわざわざ墓場に逃げ込んだり、

仲間の一般人のリポーターが「一人は嫌!」と言ってるにもかかわらず、

「手分けしてここを調べましょう!」とわざわざ一人一人に分散。

案の定、ごねていたリポーターが子供ゾンビにたかられて食されたりと、

わざとやってんじゃないかと疑りたくなります。


特にジルさん、あんたゲーム版バイオ1で修羅場をくぐりぬけたんじゃないのか。

ジルさんが所属していた精鋭部隊STARTS(スターズ)は、セーラースターズのことでしょうか。

さすがその場で足踏みしながら旋回する人種は違います。



個人的にちょっと気になったのは、映画オリジナルの主人公であるアリス。

強すぎます。

外見は華奢な女性にも関わらず、マリオのように飛び跳ねたり

体長2メートルの大男を殴り飛ばしたりとやりたい放題です。

なんかウィルスを注入されてるせいで強くなってるって設定はあるものの、

ゲームやった人間にしてみれば、なんか僕の考えた超人を見ている気分になります。

とはいえ、駄作というほどのものでもないので、楽しんだといえば楽しんだんですが。



さてバイオ2見た後、2時間ほどハンバーガーショップでゲームボーイピコピコしながら暇をつぶして

ようやくデビルマンです。

今にしてみれば、素直に帰ってれば良かったと思いますけど。

帰りに台風直撃したし。



ここが変だよ、でびるまん


ツッコミどころが多いなんてもんじゃありません。

正直、実写デビルマンという観点なら

昔とんねるずがやったパロディコント「デビルタカ」のほうがまだ面白い。

映画としては落第点、コントとしても落第点。それがデビルマンです。




-ここが変だよ、でびるまん -
その一、デビルマンそのもの。




主人公の不動明を演じるのは、なんかどこぞのアイドルイケメンです。

デビルマン変身時はフルCGなんですが、劇中ではほとんど半人間体みたいな姿です。

その姿が上半身裸に悪魔メイクといういかした姿。

体格も痩せ過ぎていて、もうデビルマンというより

ただの気の毒なパンクロッカーです。

しかも台詞も「ホロビロォーデーモン」「ホロベー」「オマエヲコロスー」(棒読み)

と、やけに駄目なライトノベル風で、

姿とあいまって、もはや出来そこないの聖飢魔U。

演出なのか、戦闘時の構えもスピードスケートのスタート時みたいなポーズで

ププ、何?その構えはデビルマン神拳?

と、もうこちらは笑いをこらえるのに必死です。



まぁこの主役のイケメンが悪いんではなく、演出と脚本と監督と東映にデーモンがついてるせいなんですがね。

演技力以外は。


その演技の方は・・・・

ヤバイ。デビルマンヤバイ。まじでヤバイよ、マジヤバイ。

デビルマンヤバイ。

まず大根。もう大根なんてもんじゃない。超大根。

大根とかっても

「宇多田ヒカルのピノコくらい?」

とか、もう、そういうレベルじゃない。

何しろ棒読み。スゲェ!なんか感情とか無いの。悲しみとか怒り?とかを超越してる。棒読みだし超大根。

しかも映画初主演らしい。ヤバイよ、初主演だよ。

だって普通は素人とか主役しないじゃん。だって

(中略)

そんなヤバイデビルマンを監督した那須とか超漢らしい。
もう実家に帰れ。



途中で考えるのが疲れたので、ぶっちゃけていうと、

お前らに淀川長治に土下座しろ。

んーでも、初主演だから緊張しただろうししかたないのかな?と思ったら、

「俺の演技は1000点」

とか言ってるらしいですね。

うん、病院行け。

この世で1000点なんて点数もらっていいのははらたいらだけだっつの!


ちなみにパチモン明の名台詞は

「ほわーん」



-ここが変だよ、でびるまん -
その二、サタン。




主役がえらい事になってるんで、裏の主役である飛鳥了ことサタンも当然えらい事に。

役者は、明役の人と双子らしいです。一つでいい苦労をなぜ二つも背負う。

他に役者を探せと言いたいですが、キャラ自体は結構立ってます。

愛する明をいじめた人間の指を枝切りバサミでちょん切ったりと、狂ったくそみそテクニックっぷり。

原作では、サタンは男性でもあり女性でもあるために明を愛したという設定があり、その姿も女性のように美しい(永井豪ビジョン)のですが、

映画ではそのことは一切説明されず、更にフルCGのサタンの姿も男性的に描かれている為、結果ただのホモに。


デビルマンに半人間体があるように、サタンにもその姿があるんですが、

若いとはいえ、すでに骨太なほぼ全裸の男に白い羽を生やすのは、とても悪い夢のようです。

ちなみに名台詞は

「ハッピーバースディ!デビルマン!」(棒読み)




-ここが変だよ、でびるまん -
その三、その他全部。ていうかクソ映画。




この映画、ところどころに著名人が出演してます。

まずはボブ・サップ。

なんと破滅に向かう世界の状況を報道するニュースキャスターという、結構台詞の多い役どころです。

まぁ外人の演技の良し悪しなんざ素人にはわかりゃしないので、ある意味成功といえましょう。

映画自体が大失敗なので、結果マイナスですけど。

俺の中でのボブサップは、これでKONISHIKIと同じポジションにランクダウン。

あんた試合しないで何やってんだ。



問題はKONISHIKI。

ただ「デーモン、BANZAーI」と叫び、無抵抗に撃ち殺されるだけ。

恐らく存在自体が無駄な映画の中で、さらに無駄な場面と言えます。

友情出演なら、もっと考えろといいたいですし、

ふつうにギャラもらっての仕事なら、誰だよオファーしたの。と疑問しか沸きません。

いかずぜ、東映マジック!
どこに10億円なんて金を使ったんだ。半分は飲食費って本当か?



唯一の清涼剤(男限定)のシレーヌも微妙なもんでした。

半人間体の時は、ただのコスプレねーちゃんですし、

フルCGの時は、富永愛の顔が コラーゲン注射をフルスロットルで射ち込んだ様に不自然にテカテカになちゃってます。

CGだけなら、あのスクウェアエニックスの髭に任せときゃ良かったのに。

しかも出番は、ほんの10〜20分程度。

一度デビルマンと戦った後、あとは放置で最後まで影も形も無くなります。

これじゃあ、半裸のねーちゃん目的で来た男性諸氏は詐欺だと叫びたくもなります。






むしろまともなところを探すのが難しいこの映画。

観た人間のほぼすべてが、こころに悪魔を飼います。

今ではアンチがデフォルトという無法ぶり。

早くも21世紀最大のクソ映画とも言われているこの映画ですが、なんと現在は全世界40カ国からオファーが来てるとか。

確か発表当初は50カ国で10カ国ほど減ってる気がしますが、なんとも知らないということは罪であるという言葉が身にしみます。

この映画を観てからと言うもの、CMで

「大ヒット上映中!(一部地域を除く)」

というテロップを見るたびに、

一部地域を除くのは、上映中の方?それとも大ヒットの方?

と思ってしまう自分がいます。

まぁ、大ヒットの方だと一部どころか日本の98%程を除いてもらわなきゃなりませんが。



デビルマンファンが大ショックな出来となったこの映画。

その中でも一番ショックなのは、

原作者が嬉々としてこの映画に出ちゃったことでしょうけど。








まだまだ書きたいこともありますが、

貴重な時間を、クソ映画に費やすのもアレなんで、ここまでにしておきます。

ちなみにヤフーのレビューを見てみれば、被害者の心の叫びを聞けます。









戦略的撤退